表象文化論学会会員の皆さま
表象文化論学会では第19回大会(武蔵大学)会期中に(株)赤ちゃん本舗およびNPO法人ConoCoの協力を得て親子休憩室を設置します。この度、親子休憩室内で表象文化論学会会員の選書による絵本の展示を行うことになりました。つきましては広く会員の皆さんに絵本の選書およびその紹介文を募集します。ぜひふるってご応募ください。
・応募資格:応募時に表象文化論学会会員であること
・字数:300〜500字程度
・締切:2025年8月3日(日)
・提出先:親子休憩室担当メールアドレス kids.repre@gmail.com
応募の際には、以下のサンプル文にしたがって紹介文を作成し、上記アドレスに提出してください。選書していただいた絵本は表象文化論学会で準備し、紹介文を添えて親子休憩室に展示します(書籍が入手困難な場合は個別にご相談させてください)。なお、会場の規模の都合上、あるいは選書していただいた絵本ないし紹介文の内容に鑑みて、こちらの判断で展示をお断りする場合がございます。あらかじめご了承ください。
表象文化論学会第19回大会実行委員会
担当:三浦哲哉、門林岳史
問合せ先:kids.repre@gmail.com
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(以下、紹介文サンプル)
高山なおみ(文)、中野真典(絵)
『どもるどだっく』ブロンズ新社、2016
エッセイスト、料理人として活動する高山なおみが初めて制作した自伝的絵本。中野真典の絵を見てこれは自分だと直感し、共同制作をもちかけたのだという。吃音を持ち、「どもるどだっく」と呼ばれた少女が、「あじ」と「におい」を介して外界と直截に交流する様子が表現される。高山のテクストと、中野の絵は頁の中でシームレスに溶け合う。「てつぼうはすっぱくて熱いにおい ちのあじがする」「じめんはざりざりしてあじがしない」。頁をめくっていると、自分がかつて物心つくかつかなかった頃に抱いていただろう、べたべた、ひりひりの渾然一体となったあれら孤独な感情を思い出せる気になる。(選者 三浦哲哉)
ドミニク・エルハルト(文)、アンヌ=フロランス・ルマソン(絵)、瀧下哉代(訳)
『ミュージアムポップアップ フランス国立自然史博物館』大日本絵画、2020
コロナ禍で自宅に閉じこもっていた頃に偶然近所の書店で見つけて買い求めた。パリ植物園およびその敷地内にあるフランス国立自然史博物館は、1626年に王立薬用植物園として創設された、同種の施設としては世界最古のもののひとつである。本書は「とびだししかけえほん」のかたちで同館のギャラリーをめぐる趣向となっている。「鉱物学と地質学」、「古生物学と比較解剖学」、「進化のグランド・ギャラリー」とギャラリーをめぐっていく経験は、そのまま博物館の歴史をたどる道のりでもあり、さらに言うと「博物学/自然史(natural history)」の背景にある科学的認識が18世紀から19世紀にかけて大きく変貌していく歴史をも垣間見せてくれる。(選者 門林岳史)