2025年8月31日(日)13:30-15:30
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美術展制作の構造の中に組み込んだ「対話」を表象文化論学会のパネルで公開する──東京・練馬=ルワンダ・ムサンゼ

西野正将(美術家、映像ディレクター)
ふくだぺろ(アーティスト、詩人、マルチモーダル人類学者)*オンライン参加
小森真樹(武蔵大学)


 「SOS 応答と対話で『何か』を探す」プロジェクトの一部をなす本パネルでは、展示物や制作の過程について制作チームのメンバーが議論する場を設けます。議論は参加者に自由にご発言いただくワークショップ形式で行います。学会会期中にキャンパス内で開催している展覧会と併せてご参加ください。

 「SOS 応答と対話で『何か』を探す」プロジェクトの全体は、コミッションワークを通じた制作、展覧会、そして対話セッションから構成されます。それらは、アーティスト同士があらかじめ定めたルールに基づいて制作物を往還させる〈応答〉と、そのプロセスや作品についてキュレーターを含めて議論する〈対話〉という二つのパートを中心に進められます。
 出品作品には、西野正将とふくだぺろの二名のアーティストが互いに対話のように応じ合いながら制作した〈応答〉に加えて、武蔵大学の歴史そのものに対するアーティストたちの〈応答〉も含まれます。〈応答〉を言語化する〈対話〉を通じて、協働制作や展覧会の主題そのものが制作のプロセスとともにかたちづくられていくような、開かれた枠組みとして本展は構想されています。
 制作過程では、映像、詩、文学、インスタレーション、パフォーマンスなど、表現手法に制限を設けず、幅広いメディアによって両者の可能性を引き出していきます。本展では、完成された作品だけでなく、プロジェクトでの試作品とオープンエンドなプロセスをあわせてご覧いただくことで、「展覧会をつくる」という行為そのものを考える機会になればと考えています。