編著/共著

森佳子、奥香織、萩原健(編著)、新沼智之(編)、大崎さやの、村島彩加、藤原麻優子、小菅隼人、中野正昭、赤井朋子、辻佐保子、田中里奈(著)

演劇と音楽

森話社
2020年6月
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本書は、演劇やパフォーマンスにあらわれる様々な「聴覚的なもの」──声や歌、音楽、ノイズ、沈黙など──を扱った研究書である。日本演劇学会の分科会である西洋比較演劇研究会の創立30周年記念事業の一環として、2017年から準備が進められ、2020年6月に刊行された。

従来の演劇研究では(文学研究と重なっていたこともあり)、「聴覚的なもの」が主たる研究対象として扱われる機会は少なかった。パフォーマンス研究やカルチュラル・スタディーズ発展を受け、現在、制作・上演・受容を構成する要素のひとつとして「聴覚的なもの」を位置づけ、その働きや意義を探る研究が演劇学の領域でも増えつつある。

以上の背景を踏まえて出版された『演劇と音楽』の特色として、射程の広さを指摘することができる。本書で論じられる時代・ジャンル・地域は広範に及んでいる。資料体もアプローチもヴァラエティに富んでいる。本書は三つのトピック(「台詞・歌・音楽」、「上演」そして「社会と音楽劇」)で構成されているが、問題意識や論点はトピックの相違を超え、論文間で時に共鳴し、時にぶつかり合っている。読者諸氏に広く聞き届けられる論集となることを願っている。

(辻佐保子)

広報委員長:香川檀
広報委員:白井史人、原瑠璃彦、大池惣太郎、鯖江秀樹、原島大輔、福田安佐子
デザイン:加藤賢策(ラボラトリーズ)・SETENV
2020年10月20日 発行