PRE・face

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学会の広報
横山太郎

昨年度に広報委員長の任を拝した横山と申します。前号から『REPRE』の編集にあたっています。今回この場をお借りして、表象文化論学会がどのような広報活動をおこなっているのかを読者のみなさんにご紹介し、あらためて「学会の広報」というものについて一緒に考えていただけたらと思いました。うまいこと「広報について考えるという体の広報」になるとよいのですが。

現在、本学会の広報活動は、以下の3つのメディアを通じておこなわれています。

  1. 学会ウェブサイト
    学会の窓口です。組織や活動を紹介するほか、大会・研究集会・学会誌刊行・学会賞等の新着情報を掲示します。

  2. ウェブ上で一般公開されるニューズレター『REPRE』
    今ご覧になっているこれですね。年3回公開されます。1回は春の大会の報告、1回は秋の研究集会の報告、もう1回は独自企画による特集をそれぞれ柱とします。その他、イベント報告、研究ノート、新刊紹介等を通じて、会員の活動を学会誌『表象』よりもコンパクトかつ機動的に発信します。随時記事投稿も募集しています。

  3. 学会員向けメーリングリストで配信される《REPREニュース》
    会員が関わるイベントの情報を速報します。

さて、以上のような広報を何のためにやっているかと考えてみると、ひとまず次のように言えるのではないでしょうか。第一に、この学会でどのような知が生み出されているのかを、会員ひとりひとりに知ってもらうことで、学会内の知的相互交渉を一層活性化させること。広報を通じて「こんな研究している人がいるんだ。今度の大会で一緒のパネルに誘ってみよう」なんていうことになったら最高ですね。第二に、この学会の情報を一般社会へと発信し、表象文化論という学問のプレゼンスを高めるとともに、未来の学会員を本学会へと誘惑すること。

私自身は、最後に述べた「誘惑」こそ最も大事な役割なのではないかと考えています。本誌20号PRE・faceで竹峰さんが述べているように、私たちは後退戦を戦っている最中です。教養主義の最後の牙城を気取っているだけで会員希望者が押し寄せる時代ではありません。そして、その「誘惑」を担うのが、上記の3つのメディアの中で、特に本誌『REPRE』ということになります。どうやらこの学会ではアートやら思想やら科学的言説やらポップカルチャーやら古典文芸やらがいっしょくたになって、なんだか面白そうな議論が交わされていて、研究者も実務家もクリエイターも互いに自分の専門外のことから大いに刺激を受けているようだ──実際私たちはそのような場を作り出そうとし続けているわけですが──そんなふうに、本誌の読者が思ってくれたらいいなあ、というようなことを考えながら、広報委員一同、頑張っております。会員の皆さん、引き続き原稿依頼へのご協力をどうかよろしくお願いいたします。 <(_ _)>

まだ会員ではない皆さん。皆さんは、なんとなく遠巻きに眺めていらっしゃる研究者の方かもしれませんし、どういった学会で実績を積んでいくべきか決めあぐねている大学院生の方かもしれませんし、理論に関心を寄せているアートの現場の方かもしれませんし、学部生や高校生、あるいは社会人の方かもしれません。『REPRE』本号では、昨年11月におこなわれた新潟大学での研究発表集会の様子がレポートされています。この学会でどのようなテーマでどんな研究がなされているかはもちろん、当日の会場の雰囲気、発表者の息づかい、会員のノリがどういったものなのかまで伝わってくると思います。ほんのワンクリックです。表象文化論学会の様子を覗いて、誘惑されてみてください。

『REPRE』23号をお届けします。

横山太郎