翻訳

渡名喜庸哲、藤岡俊博、三浦直希(訳)
エマニュエル・レヴィナス著、ロドルフ・カラン、カトリーヌ・シャリエ(監修)

レヴィナス著作集2 哲学コレージュ講演集

法政大学出版局
2016年7月
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これまで未刊であった論考を集めた『レヴィナス著作集』の第二弾。レヴィナスが1947年から1964年にかけて、ジャン・ヴァールが主宰していた哲学コレージュで行なっていた講義録を集めたものである。その第1回の講義録は、すでに『時間と他者』として公刊されていたが、それ以降も1961年公刊の『全体性と無限』まで、さらにそれを超えて、毎年のように連続講義がなされていたのだ。それらのうち、「糧」、「教え」、「書かれたものと口頭のもの」、「分離」などを主題とする、これまでアクセスできなかった10本の講義録が本書により公刊されたことで、とりわけ『全体性と無限』までにいたるレヴィナスの軌跡が明らかにされた。また、「隠喩」をめぐる講義は、既刊のレヴィナスの著作にはほとんど現れてこなかった主題である。新たなレヴィナス像を発見させ、従来のレヴィナス解釈に再考をせまるものであることはまちがいない。

(渡名喜庸哲)

広報委員長:横山太郎
広報委員:江口正登、柿並良佑、利根川由奈、増田展大
デザイン:加藤賢策(ラボラトリーズ)・SETENV
2017年3月29日 発行